第2弾 世代を超えても受け継がれるMINIの伝統

伝統のメーターを受け継いだセンターディスプレイ

一 MINIのインテリアの大きな特徴であるダッシュボードのセンターディスプレイは、どのようにして生まれたのでしょうか。

MINIのセンターディスプレイは、かつてのクラシックMINIのデザインを継承したものなんです。
1959年に誕生したクラシックMINIは、ステアリングの取り付け角度などの理由から、ダッシュボードの中央にスピードメーターが取り付けられていました。
このクラシックMINIの特徴的なデザインを、新しいMINIでもなんとか残したい。
そうした思いから誕生したのがセンターディスプレイなんです。

一 なるほど、クラシックMINIへのリスペクト、あるいはオマージュなんですね。
メーターからディスプレイへと機能を進化させつつ、デザインモチーフ受け継いでいるあたりが巧みです。

現行モデルのスピードメーターはドライバーの正面に配置されていますので、センターディスプレイはカーナビや様々な情報を表示する液晶パネルなっています。
ただ、ここにも仕掛けがあって、円形のアウターリングにLEDが仕込まれているんです。
操作に応じてあたかもメーターのように色が変化するので、クラシックMINIを知っている方なら、思わずニヤッとしてしまうはずです。

一 アウターリングのLEDまで、かつてのスピードメーターを意識したものだったとは驚きです。
もしかして、センターディスプレイの下に並んでいるスイッチもMINI伝統のものですか?

いわゆる、トグルスイッチと呼ばれるレトロなデザインのスイッチも、クラシックMINIのディテールを継承したものです。
もちろんスイッチ自体は新しく設計されたものですが、パチンとオンオフするクラシックMINIのトグルスイッチのタッチをうまく再現してあります。
すべてが最新の機能と部品で構成されているのに、コクピットに座ると、どこか漂うクラシックMINIの雰囲気。
クラシックMINIへのリスペクトと遊び心が感じられるデザインもMINIの大きな魅力ですね。

今に受け継がれるクラシックMINIの個性

一 クラシックMINIからニューMINIへと、MINIのアイデンティティはどんなところに受け継がれているのでしょうか?

ニューMINIをじっくりと眺めてみると、そこかしこにクラシックMINIを感じることができます。
フロントのパンパーラインなども、クラシックMINIのメッキバンパーをなぞったような、巧みなラインでデザインされています。
快適さを高めるためボティは大きくなりましたが、全体の佇まいやラインなど、クラシックMINIの雰囲気はしっかり受け継がれているんです。

一 クラシックMINIとニューMINIを並べて見ると、サイズは違うけれど、明らかに血統というものを感じます。
ボディラインだけでなく、MINI伝統のディテールも多いのも、そう思わせる理由でしょうか?

クラシックMINIの最初期型には、ヒゲと呼ばれる特徴的なディテールを備えたフロントグリルが装着されていましたが、ニューMINIでは、ボディのパネルラインがこのヒゲのように見えるんです。
そのものズバリのデザインは再現していないけれど、新しいデザインに中にクラシックMINIの要素を入れているという感じです。
ニューMINIのボンネットにはエアルーバーがありますが、これはスーパーチャージャーを搭載した往年のレーシングMINIをモチーフにしたものです。
もちろんニューMINIはスーパーチャージャーなど搭載していませんので、本来はなくてもよいのですが、MINIのアイコンとして受け継いでいるんです。

一 あのエアルーバーは、デザイン的なものだったのですね!
MINIのアイデンティティは、想像以上にニューMINIに受け継がれていることがわかりました。

デザインはもちろんなのですが、なによりもMINIのアイデンティティは、ボディの四隅にタイヤを配し室内スペースを最大限に生かしたパッケージと、ゴーカートフィールと言われるキビキビした走りにあると思います。
クラシックMINIは1959年に誕生し2000年に生産を終了しました。
ニューMINIがデビューしたのは2001年。その歴史は60年余りになります。
そのなかで、MINIならではのバッケージと走りは、変わることなく受け継がれてきた。
それこそがMINIのアイデンティティであり、MINIがMINIとして愛され続けるいちばんの理由なんだと思います。

今回教えてくれたのはこの方
MINI Matsudo メカニック 山田 滋
普段はMINIのメカニックとしてお客様のMINIを大切に整備、点検を行なっている。
クラシックMINIをレストアして所有するほどの筋金入りのクラシックMINIオタク。
クラシックMINIは自身が赤ん坊の頃に揺り籠代わりに使われていて、物心ついた頃からMINIに触れてきた男はついに職業でもMINIに携わるようになる。

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